2012年 10月 11日
【学校に行こう週間】植木小学校・稲村ヶ崎小学校を見学。【鎌倉の教育を考える会】 |
(角田晶生・鎌倉の教育を考える会 代表)
平成24年10月11日(木)、鎌倉市の公立小中学校で実施されている「学校へ行こう週間」に参加。その一環として「鎌倉の教育を考える会」有志で午前中に植木小学校、午後から稲村ヶ崎小学校をそれぞれ見学して来ました。
<植木小学校にて>
鎌倉市立植木小学校。 posted by (C)角田晶生
午前中、しかも授業中という事もあってか校内は非常に静かで、見学に来られている保護者・地域の方は(私が滞在している時間帯は)見かけませんでした。
さっそく前回のチェック項目を点検しましたが、下駄箱は整然としていて水場も飛び散ったり蛇口が上を向いたままになっているなどもなく、比較的清潔感が保たれていると感じました。ちなみに、廊下を歩く(走る)子もいなかったので、児童とあいさつを交わす機会はありませんでした。
よく話題になる「学級崩壊」あるいは「授業妨害」などの様子もなく、どのクラスでも先生の言う事をよく聞いて、粛々と授業が行われているように感じました。
※と言うと、中には「それは上辺でしかなく、日常はもっとひどい状況なのだ」と仰る方もいますが、たとえ「よそ行き」であろうと、取り繕える程度には最低限、秩序が保たれていると考えてあげるのは甘すぎるでしょうか(もちろん、いつも良い子であって欲しいものですが、自分たちの子供時代を考えれば、いきなり高水準を求めるのもちょっと可哀想です)。
廊下を歩いていて印象的だったのは、各階の水場をはじめ各所に配備してあった不審者対処用の刺叉(さすまた。相手を取押さえる防犯具)。いざ有事となれば小学生でも手にとって使えるよう、立てた状態で配備してありました。これを実際、児童らに演練させるのかはともかく、少なくとも防犯体制を調える意思だけは伝わりました。
さすまた 使い方 基本編
http://keibi.pya.jp/sas-ki.html
そんな中、6年生の教室前にズラリと掲示された新聞(夏休みの宿題として作られた「平和」をテーマにしたもの)を見ていると、「戦争はよくない」「原爆をなくそう」など、あらゆる武力を否定する論調(紙面)が多い中、珍しく「帝国海軍艦艇」の特集を組んでいる子がいました。
その子は紙面をいっぱいに使って「戦艦大和」の武勲と「戦艦長門」の驚異的な耐久性について紹介。その末尾には「ぼくが大人になったら九州にしずんでいるヤマトをひき上げたい」という一文があり、子供らしい雄大なスケールと、純粋な海軍への憧れを感じ、不肖の後輩(予備海上自衛官)として、とても嬉しくなった一幕でした。
戦艦大和
http://www.biwa.ne.jp/~yamato/yamato.htm
戦艦長門-軍艦画像DBP
http://battleship-pictures.xrea.jp/photograph_p/senkan/nagato.php?flash_yesno=NO-flash
さて帰ろうとすると、どこかで見たような顔の先生が現れ、「君、大中(鎌倉市立大船中学校)出身か?」と聞かれたので、はいと答えると、確かにその先生でした。現在は校長先生であるようです。中学校を卒業して以来ですから、実に17年ぶりとなります。互いに記憶を辿りながら懐かしい級友や教諭の名前などを並べ、誰も知らない学校の中に、知り合いが一人いるだけでも、少しホッとしたものです。
<稲村ヶ崎小学校にて>
鎌倉市立稲村ヶ崎小学校。 posted by (C)角田晶生
13:00という時間帯は、給食~昼休み~掃除~5時間目、と子供たちが最も活発に動く(ちょっと穿った見方をすれば、一番本性が見える)時間。比較的静かではありましたが、やはり駆け回る子たちは大勢います。午前中の植木小学校でもそうでしたが、「廊下を走るな(走らない)」という注意(口頭、掲示物)はなく、先生も取り立てて走っている子供たちを注意してはいませんでした。
と言って「ぶつかったりしないの?」と聞いてみると、「ぶつかった子を見た事がある」という返答。だから「危ない=廊下は走らない」という結論に至らないことが不思議でしたが、そもそも廊下を走ることが「悪い」と思って(教わって)いないから、平気で走り回れるし、自分が痛い目さえ見なければ怪我や事故だって他人事。まったく悪気がない分、空恐ろしいものを感じます。
よく大人は子供に対して「ルールを守れ」と言いますが、その「ルール」を教えていないのだから、話にならない、と言うべきなのかも知れません(知らないルールは、守りようがありません)。
ルールと言えば、時間を厳守する概念が欠けているのも気懸かりでした。かつて「5分前行動(定刻になったらすぐに始められるよう、その5分前から集合・準備しておく)」と酸っぱく言われたものですが、掃除終了(13:35)から5時限目開始(13:40)まで5分間の猶予があったにも関わらず、実際に授業が始まったのはその5分後の13:45からでした。先生もその5分の遅れを「想定内」としているためか特に注意せず、のんびりと授業が始まりました。社会生活を営む上で最も重要な概念の一つである「時間」は、それこそ物心ついた時から叩き込むくらいでちょうどいいと思います。
しかし、清掃状態は比較的行き届いているようで、水場の汚れもほとんどなければ、廊下の隅にホコリが溜まっている様子もあまりありませんでした。あいさつすればキチンと(高確率で、中には照れた様子で)返してくれますし、やはり基本的によい子たちなのだと思います。
子供が思うように育たないのは、子供の素質ではなく、大人の「育て方」に主たる責任があるように感じます。何でもかんでも「最近の若者は~」で片付ければ、確かに気分はいいでしょう。程よいノスタルジックと優越感に浸れるでしょう。しかし、それでは進歩がありません。
ちなみに、刺叉はこちらにも数ヶ所配備されてはいましたが、黒板横の掲示板上(入口付近)に架けられた状態のものが多く、身長の低い教員では手が届かない、上下する黒板に引っかかって咄嗟(とっさ)に構える事が出来ない、更には多くの場合入口付近に陣取った不審者が、自分の脇にある刺叉をご丁寧に取らせてくれるとも思えず、せっかくの高価な装備品が、宝の持ち腐れにならなければ、と感じました。
また、稲村ヶ崎だけではないでしょうが、多くの発行物の日付が「元号(平成24年)」ではなく「西暦(2012年)」となっており、我が国固有の文化(※かつては支那、朝鮮、ベトナムでも用いられていたが、現在は日本のみ)である元号を教えることは、とても大切です。もしも「元号はコロコロ変わって不便だ」と言うなら、皇紀を使えば一発で解決します(なんせ、日本の建国からずっと使われているのですから)。
元号一覧
http://homepage1.nifty.com/gyouseinet/history/gengouichiran.htm
皇紀対応表
http://www.geocities.jp/fujimoto_yasuhisa/bunsho/koukitaiouhyou.htm
※今年、平成24(西暦2012)年は、皇紀2672年=日本の建国より2672周年に当たります。
そんな訳で第二小学校、植木小学校、稲村ヶ崎小学校の3校を見学して来ましたが、これだけでも既に各校の違いが少しずつ見えてきて、たとえ上辺だけであろうと、見ないよりははるかにマシです。教育現場の一端を垣間見た、有意義な時間でした。
今後とも、今月いっぱい機会の許す限り、学校見学は継続して行きます。
===============お知らせ===============
※鎌倉の教育を考える会より。
【学校に行こう週間・見学日程】
※集合場所:各校の校門付近。
※連絡先:090-4454-8858 (代表・角田晶生)
10月12日(金) 13:00ごろ~ 第一小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~itisyou/
10月16日(火) 13:00ごろ~ 西鎌倉小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~nisikama/
10月19日(金) 10:00ごろ~ 七里ヶ浜小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~sitisyou/
10月24日(水) 11:00ごろ~ 腰越小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~kosisyou/
13:00ごろ~ 山崎小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~yamasyou/
10月25日(木) 11:00ごろ~ 関谷小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~sekisyou/
13:00ごろ~ 大船小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~oosyou/
10月30日(火) 11:00ごろ~ 小坂小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~sakasyou/
平成24年10月11日(木)、鎌倉市の公立小中学校で実施されている「学校へ行こう週間」に参加。その一環として「鎌倉の教育を考える会」有志で午前中に植木小学校、午後から稲村ヶ崎小学校をそれぞれ見学して来ました。
<植木小学校にて>
鎌倉市立植木小学校。 posted by (C)角田晶生
午前中、しかも授業中という事もあってか校内は非常に静かで、見学に来られている保護者・地域の方は(私が滞在している時間帯は)見かけませんでした。
さっそく前回のチェック項目を点検しましたが、下駄箱は整然としていて水場も飛び散ったり蛇口が上を向いたままになっているなどもなく、比較的清潔感が保たれていると感じました。ちなみに、廊下を歩く(走る)子もいなかったので、児童とあいさつを交わす機会はありませんでした。
よく話題になる「学級崩壊」あるいは「授業妨害」などの様子もなく、どのクラスでも先生の言う事をよく聞いて、粛々と授業が行われているように感じました。
※と言うと、中には「それは上辺でしかなく、日常はもっとひどい状況なのだ」と仰る方もいますが、たとえ「よそ行き」であろうと、取り繕える程度には最低限、秩序が保たれていると考えてあげるのは甘すぎるでしょうか(もちろん、いつも良い子であって欲しいものですが、自分たちの子供時代を考えれば、いきなり高水準を求めるのもちょっと可哀想です)。
廊下を歩いていて印象的だったのは、各階の水場をはじめ各所に配備してあった不審者対処用の刺叉(さすまた。相手を取押さえる防犯具)。いざ有事となれば小学生でも手にとって使えるよう、立てた状態で配備してありました。これを実際、児童らに演練させるのかはともかく、少なくとも防犯体制を調える意思だけは伝わりました。
さすまた 使い方 基本編
http://keibi.pya.jp/sas-ki.html
そんな中、6年生の教室前にズラリと掲示された新聞(夏休みの宿題として作られた「平和」をテーマにしたもの)を見ていると、「戦争はよくない」「原爆をなくそう」など、あらゆる武力を否定する論調(紙面)が多い中、珍しく「帝国海軍艦艇」の特集を組んでいる子がいました。
その子は紙面をいっぱいに使って「戦艦大和」の武勲と「戦艦長門」の驚異的な耐久性について紹介。その末尾には「ぼくが大人になったら九州にしずんでいるヤマトをひき上げたい」という一文があり、子供らしい雄大なスケールと、純粋な海軍への憧れを感じ、不肖の後輩(予備海上自衛官)として、とても嬉しくなった一幕でした。
戦艦大和
http://www.biwa.ne.jp/~yamato/yamato.htm
戦艦長門-軍艦画像DBP
http://battleship-pictures.xrea.jp/photograph_p/senkan/nagato.php?flash_yesno=NO-flash
さて帰ろうとすると、どこかで見たような顔の先生が現れ、「君、大中(鎌倉市立大船中学校)出身か?」と聞かれたので、はいと答えると、確かにその先生でした。現在は校長先生であるようです。中学校を卒業して以来ですから、実に17年ぶりとなります。互いに記憶を辿りながら懐かしい級友や教諭の名前などを並べ、誰も知らない学校の中に、知り合いが一人いるだけでも、少しホッとしたものです。
<稲村ヶ崎小学校にて>
鎌倉市立稲村ヶ崎小学校。 posted by (C)角田晶生
13:00という時間帯は、給食~昼休み~掃除~5時間目、と子供たちが最も活発に動く(ちょっと穿った見方をすれば、一番本性が見える)時間。比較的静かではありましたが、やはり駆け回る子たちは大勢います。午前中の植木小学校でもそうでしたが、「廊下を走るな(走らない)」という注意(口頭、掲示物)はなく、先生も取り立てて走っている子供たちを注意してはいませんでした。
と言って「ぶつかったりしないの?」と聞いてみると、「ぶつかった子を見た事がある」という返答。だから「危ない=廊下は走らない」という結論に至らないことが不思議でしたが、そもそも廊下を走ることが「悪い」と思って(教わって)いないから、平気で走り回れるし、自分が痛い目さえ見なければ怪我や事故だって他人事。まったく悪気がない分、空恐ろしいものを感じます。
よく大人は子供に対して「ルールを守れ」と言いますが、その「ルール」を教えていないのだから、話にならない、と言うべきなのかも知れません(知らないルールは、守りようがありません)。
ルールと言えば、時間を厳守する概念が欠けているのも気懸かりでした。かつて「5分前行動(定刻になったらすぐに始められるよう、その5分前から集合・準備しておく)」と酸っぱく言われたものですが、掃除終了(13:35)から5時限目開始(13:40)まで5分間の猶予があったにも関わらず、実際に授業が始まったのはその5分後の13:45からでした。先生もその5分の遅れを「想定内」としているためか特に注意せず、のんびりと授業が始まりました。社会生活を営む上で最も重要な概念の一つである「時間」は、それこそ物心ついた時から叩き込むくらいでちょうどいいと思います。
しかし、清掃状態は比較的行き届いているようで、水場の汚れもほとんどなければ、廊下の隅にホコリが溜まっている様子もあまりありませんでした。あいさつすればキチンと(高確率で、中には照れた様子で)返してくれますし、やはり基本的によい子たちなのだと思います。
子供が思うように育たないのは、子供の素質ではなく、大人の「育て方」に主たる責任があるように感じます。何でもかんでも「最近の若者は~」で片付ければ、確かに気分はいいでしょう。程よいノスタルジックと優越感に浸れるでしょう。しかし、それでは進歩がありません。
ちなみに、刺叉はこちらにも数ヶ所配備されてはいましたが、黒板横の掲示板上(入口付近)に架けられた状態のものが多く、身長の低い教員では手が届かない、上下する黒板に引っかかって咄嗟(とっさ)に構える事が出来ない、更には多くの場合入口付近に陣取った不審者が、自分の脇にある刺叉をご丁寧に取らせてくれるとも思えず、せっかくの高価な装備品が、宝の持ち腐れにならなければ、と感じました。
また、稲村ヶ崎だけではないでしょうが、多くの発行物の日付が「元号(平成24年)」ではなく「西暦(2012年)」となっており、我が国固有の文化(※かつては支那、朝鮮、ベトナムでも用いられていたが、現在は日本のみ)である元号を教えることは、とても大切です。もしも「元号はコロコロ変わって不便だ」と言うなら、皇紀を使えば一発で解決します(なんせ、日本の建国からずっと使われているのですから)。
元号一覧
http://homepage1.nifty.com/gyouseinet/history/gengouichiran.htm
皇紀対応表
http://www.geocities.jp/fujimoto_yasuhisa/bunsho/koukitaiouhyou.htm
※今年、平成24(西暦2012)年は、皇紀2672年=日本の建国より2672周年に当たります。
そんな訳で第二小学校、植木小学校、稲村ヶ崎小学校の3校を見学して来ましたが、これだけでも既に各校の違いが少しずつ見えてきて、たとえ上辺だけであろうと、見ないよりははるかにマシです。教育現場の一端を垣間見た、有意義な時間でした。
今後とも、今月いっぱい機会の許す限り、学校見学は継続して行きます。
===============お知らせ===============
※鎌倉の教育を考える会より。
【学校に行こう週間・見学日程】
※集合場所:各校の校門付近。
※連絡先:090-4454-8858 (代表・角田晶生)
10月12日(金) 13:00ごろ~ 第一小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~itisyou/
10月16日(火) 13:00ごろ~ 西鎌倉小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~nisikama/
10月19日(金) 10:00ごろ~ 七里ヶ浜小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~sitisyou/
10月24日(水) 11:00ごろ~ 腰越小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~kosisyou/
13:00ごろ~ 山崎小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~yamasyou/
10月25日(木) 11:00ごろ~ 関谷小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~sekisyou/
13:00ごろ~ 大船小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~oosyou/
10月30日(火) 11:00ごろ~ 小坂小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~sakasyou/
by sasalindou
| 2012-10-11 20:10