2012年 10月 24日
【学校へ行こう週間】腰越・富士塚・山崎小学校。【鎌倉の教育を考える会】 |
(角田晶生・鎌倉の教育を考える会 代表)
平成24年10月24日(水)、鎌倉市内の公立小中学校(小学校16校、中学校9校)の一般公開が行われる「学校に行こう週間」に「鎌倉の教育を考える会」有志が参加、今回は腰越小学校・富士塚小学校・山崎小学校の3校を見学して来ました。
腰越小学校ホームページ
http://www.kamakura.ed.jp/~kosisyou/
鎌倉市立腰越小学校。 posted by (C)角田晶生
学校見学も回数を重ねてくると、ついマンネリに陥りがちですが、基本的なチェック項目のほかは、これまでになかったような点から見学してみると、回数を重ねたからこそ得られる新鮮な発見も期待できるものです。
水回りはとてもキレイだったと思います。一部の蛇口が上向いていることもありましたが、衛生面の指導をより徹底できるとよいかと思います。廊下も靴墨のような痕は目立ちましたが、掃除はしてあるようでした。
廊下を走り回る子たちは多く、先生も指導はされているようですが、それでもありあまる元気の抑止力には乏しいようで、入り組んだ間取りの校舎内を、所狭しと駆け抜けていました。「廊下を走らない」旨の表示は、低学年教室前の廊下に一個、2階渡り廊下に一個、椅子に貼った状態で設置してありました。
廊下と言えば、廊下の真ん中に子供たちの作品が展示してある教室やコーナーが数箇所に設けられ、これはこれまで見てきた小学校にはない、面白いものでした。
また、アンケート用紙はこれまで見学してきた小学校の「自由記述」のみのものとは違って、「子どもたちの学校生活の様子について」「校舎や施設、設備について」「その他、学校のことで気づいたこと」と項目別に分けられ、こうする事でテーマ別に意見を書きやすく、よい工夫であると感じました。
さて帰ろうとすると、校庭で実施されていた体育の授業において、整列(前倣え)の練習が行われていました。よく話では「児童の画一化を強制すべきでない」等の理由から実施されないと聞いていた「整列」ですが、キチンと行われているのを目の当たりにして、新鮮な発見でした。
鎌倉市立富士塚小学校HomePage
http://www.kamakura.ed.jp/~fujisyou/
鎌倉市立富士塚小学校。 posted by (C)角田晶生
腰越小学校から山崎小学校へ向かう途中、湘南モノレール沿いにある当校も公開日であった事から、折角の機会なのでお邪魔することにしました。
校舎内は改修されていたため綺麗でしたが、水回りは流しのシンクに石鹸カスと思われる白いあとがベッタリと付着している箇所もありました。下駄箱は時折り踵のはみ出したものなど、若干の乱れが見受けられました。
廊下については一応指導はされているものの、やはり子供相応に元気いっぱいでしたが、腰越小学校の子供たちほどではなかったように感じました(立て続けに見学した、あくまでも主観です)。
図書室の本は概ね整っていました。あまり露骨な「人権」「平和」の図書推薦は行っていないようで、子供が喜びそうな本が色々と楽しくディスプレイされていました。
そんな中、教育基本法の改正(平成18年・安倍政権当時)について反対する朝日新聞の意見広告ポスターが大きく貼り出され、
”「教育基本法」そんなに急いで、変えないで!”
”「国を愛する子ども」づくりより、「子どもに愛される国」づくりを。”
というスローガンが躍っていました。
何故か「もっともらしく」聞こえますが、果たして「お子様本位」の国づくりが、国際社会のえげつない生存競争に立ち向かって行けると、本気で思っているのでしょうか。国家の運営は、ディズニーランドの経営とは話が違うのです。子供だからと言って許される世界ではなく、一刻も早く「一人前≒最低限の戦力」に育て上げて、共に支えて行かなければ、平和な国家は維持出来ないのです。
もちろん、見学して回った限りにおいてはそうした極端な無政府・非武装平和主義的教育を行っている様子はなく、ごく一部の教職員の思想によるものだと思いますが、未だに戦後体制の「夢」から醒めない人がいることを、端的に物語っています。
鎌倉市立山崎小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~yamasyou/
鎌倉市立山崎小学校。 posted by (C)角田晶生
さて、角田晶生の母校である山崎小学校は山深く包まれた緑豊かな環境、その背には鎌倉の特徴的な湿地である「谷戸(やと)」が広がり、独特な雰囲気をかもし出しています。
校舎に入る前に敷地内をぐるりと回ると、鳥小屋からニワトリはいなくなり、かつてウサギ小屋だった場所はヤギ(さくら)が飼われていました。その対面には、ヤギ(わかば)のお墓がありました。体育館の裏手にあった稲作体験用の田圃はゴロゴロと石が転がされて雑草はぼうぼうでした。かつてここを耕して肥料を撒き、手で植えた苗の収穫を楽しみにしたものですが、台風によって全滅した思い出を、暫し反芻しました。現在、稲作体験は校外の谷戸で実施するようです。
改修されてから暫く経ちますが校舎内は綺麗でしたが、お昼の掃除時間を過ぎても洗われないまま、泥と砂がシンクいっぱいに散らばっていた水場があり、少し残念な思いがしました。また、掃除時間中に(見かける限り、多くはチャンバラや野球ごっこをして)遊んでいる子の姿が、他校と比べても多かったように感じられます。
また、昼休みに図書室で熱心に読書をしている姿はとても嬉しかったのですが、床に座り込んだり寝転がっている子供たちが多く、これは教室や廊下でも同じ様子が多数散見されました。これは、他校を見回って来た中でもなかった事象です。
こうした「地べたに座り込む」習慣がついた子供たちが大きくなって社会に出たら、どうなるでしょう。所構わず座り込む青少年を、一時「ジベタリアン」などと呼んで眉を顰める大人がいましたが、今や指導すらしなくなったのでは、その風潮に歯止めがかかろう筈がありません。
なかなか子供に対して教育・指導が難しい風潮かも知れませんが、この風潮を改めるのは、他ならぬ私たち大人の務めです。家庭・学校・地域の三位一体となって、取り組まねばならないと考えます。
さて、話の方向性を変えまして、6年生の廊下に掲示されていた短歌のコーナー。お題は『たのしみは~』となっていて、以前に他校でも見かけたことから、同じカリキュラムを組んでいるのかも知れません。
そんな中で、角田の選んだこの一首。
「たのしみは 夜寝る前に 寝室で、
一人静かに 本を読む時。」
友達と一緒にはしゃいでいたいお年頃でしょうに、ちょっとませた印象です。しかし、一人の時間を楽しむことは、人生をとても豊かにしてくれる土壌を養う、と、経験則から補記しておきます。
そんな中で目を引いたのが、授業時間に遅れた子供が教室に入る時、他校であればさも当然のように入っていく中で、「時間に遅れてごめんなさい」と告げてお辞儀をしてから入っている様子を見て、きちんと時間の厳守が(少なくとも意識の上では)徹底できていることを実感しました。
そうこう回っていると、北校舎の昇降口に昔から掲示されている「山崎小学校校歌」。これを改めて見直してみると、実はこの校歌、五番まであったことを知りました。今まで二番までだと思っていたのですが、それは一番と五番だけを歌っていたのでした。
本当の歌詞は、こちらです。
<山崎小学校校歌>
作詞:山崎小学校 児童
作曲:山崎小学校 音楽部
一、さくらの花よ 鎌倉の
心をうつす 里のうた
さくらの花に 手をのべて
友と心を 語り合う
さくら さくら さくら 山崎小学校
二、若葉のひかり 鎌倉の
力をうつす 里のうた
若葉のひかり 手にこめて
友と力を きそいあう
若葉 若葉 若葉 山崎小学校
三、もみじの色よ 鎌倉の
姿をうつす 里のうた
もみじに色を 手にとりて
友と姿を えがきあう
もみじ もみじ もみじ 山崎小学校
四、清水の流れ 鎌倉の
生命をうつす 里のうた
清水の流れ 手にうけて
友と生命をたたえあう
清水 清水 清水 山崎小学校
五、小鳥のうたよ 鎌倉の
のぞみをうつす 里のうた
小鳥のうたを 手によせて
友とのぞみを たかめあう
小鳥 小鳥 小鳥 山崎小学校
<ここまで>
ちょっと長すぎるきらいがないでもありませんが、とてもよい歌詞なので、公式行事ではすべて歌わなくても、是非とも全部教えて欲ししいと思います。かつて先輩たちが作ってくれた、鎌倉の美しさを見事に表現するこの校歌を、是非とも歌い継ぎたいものです。
学校公開(富士塚小学校)。 posted by (C)角田晶生
さて、これまで各校を回って来ましたが、10月末までまだまだ続く「学校へ行こう週間」、予定ではあと3校を見学して回ろうと計画しております。もしよろしければ、是非ともご一緒いただけましたら幸いです。
===============お知らせ===============
※鎌倉の教育を考える会より。
【学校に行こう週間・見学日程】
※集合場所:各校の校門付近。
※連絡先: 090-4454-8858 (代表・角田晶生)
10月25日(木) 11:00ごろ~ 関谷小学校
13:00ごろ~ 大船小学校
10月30日(火) 11:00ごろ~ 小坂小学校
平成24年10月24日(水)、鎌倉市内の公立小中学校(小学校16校、中学校9校)の一般公開が行われる「学校に行こう週間」に「鎌倉の教育を考える会」有志が参加、今回は腰越小学校・富士塚小学校・山崎小学校の3校を見学して来ました。
腰越小学校ホームページ
http://www.kamakura.ed.jp/~kosisyou/
鎌倉市立腰越小学校。 posted by (C)角田晶生
学校見学も回数を重ねてくると、ついマンネリに陥りがちですが、基本的なチェック項目のほかは、これまでになかったような点から見学してみると、回数を重ねたからこそ得られる新鮮な発見も期待できるものです。
水回りはとてもキレイだったと思います。一部の蛇口が上向いていることもありましたが、衛生面の指導をより徹底できるとよいかと思います。廊下も靴墨のような痕は目立ちましたが、掃除はしてあるようでした。
廊下を走り回る子たちは多く、先生も指導はされているようですが、それでもありあまる元気の抑止力には乏しいようで、入り組んだ間取りの校舎内を、所狭しと駆け抜けていました。「廊下を走らない」旨の表示は、低学年教室前の廊下に一個、2階渡り廊下に一個、椅子に貼った状態で設置してありました。
廊下と言えば、廊下の真ん中に子供たちの作品が展示してある教室やコーナーが数箇所に設けられ、これはこれまで見てきた小学校にはない、面白いものでした。
また、アンケート用紙はこれまで見学してきた小学校の「自由記述」のみのものとは違って、「子どもたちの学校生活の様子について」「校舎や施設、設備について」「その他、学校のことで気づいたこと」と項目別に分けられ、こうする事でテーマ別に意見を書きやすく、よい工夫であると感じました。
さて帰ろうとすると、校庭で実施されていた体育の授業において、整列(前倣え)の練習が行われていました。よく話では「児童の画一化を強制すべきでない」等の理由から実施されないと聞いていた「整列」ですが、キチンと行われているのを目の当たりにして、新鮮な発見でした。
鎌倉市立富士塚小学校HomePage
http://www.kamakura.ed.jp/~fujisyou/
鎌倉市立富士塚小学校。 posted by (C)角田晶生
腰越小学校から山崎小学校へ向かう途中、湘南モノレール沿いにある当校も公開日であった事から、折角の機会なのでお邪魔することにしました。
校舎内は改修されていたため綺麗でしたが、水回りは流しのシンクに石鹸カスと思われる白いあとがベッタリと付着している箇所もありました。下駄箱は時折り踵のはみ出したものなど、若干の乱れが見受けられました。
廊下については一応指導はされているものの、やはり子供相応に元気いっぱいでしたが、腰越小学校の子供たちほどではなかったように感じました(立て続けに見学した、あくまでも主観です)。
図書室の本は概ね整っていました。あまり露骨な「人権」「平和」の図書推薦は行っていないようで、子供が喜びそうな本が色々と楽しくディスプレイされていました。
そんな中、教育基本法の改正(平成18年・安倍政権当時)について反対する朝日新聞の意見広告ポスターが大きく貼り出され、
”「教育基本法」そんなに急いで、変えないで!”
”「国を愛する子ども」づくりより、「子どもに愛される国」づくりを。”
というスローガンが躍っていました。
何故か「もっともらしく」聞こえますが、果たして「お子様本位」の国づくりが、国際社会のえげつない生存競争に立ち向かって行けると、本気で思っているのでしょうか。国家の運営は、ディズニーランドの経営とは話が違うのです。子供だからと言って許される世界ではなく、一刻も早く「一人前≒最低限の戦力」に育て上げて、共に支えて行かなければ、平和な国家は維持出来ないのです。
もちろん、見学して回った限りにおいてはそうした極端な無政府・非武装平和主義的教育を行っている様子はなく、ごく一部の教職員の思想によるものだと思いますが、未だに戦後体制の「夢」から醒めない人がいることを、端的に物語っています。
鎌倉市立山崎小学校
http://www.kamakura.ed.jp/~yamasyou/
鎌倉市立山崎小学校。 posted by (C)角田晶生
さて、角田晶生の母校である山崎小学校は山深く包まれた緑豊かな環境、その背には鎌倉の特徴的な湿地である「谷戸(やと)」が広がり、独特な雰囲気をかもし出しています。
校舎に入る前に敷地内をぐるりと回ると、鳥小屋からニワトリはいなくなり、かつてウサギ小屋だった場所はヤギ(さくら)が飼われていました。その対面には、ヤギ(わかば)のお墓がありました。体育館の裏手にあった稲作体験用の田圃はゴロゴロと石が転がされて雑草はぼうぼうでした。かつてここを耕して肥料を撒き、手で植えた苗の収穫を楽しみにしたものですが、台風によって全滅した思い出を、暫し反芻しました。現在、稲作体験は校外の谷戸で実施するようです。
改修されてから暫く経ちますが校舎内は綺麗でしたが、お昼の掃除時間を過ぎても洗われないまま、泥と砂がシンクいっぱいに散らばっていた水場があり、少し残念な思いがしました。また、掃除時間中に(見かける限り、多くはチャンバラや野球ごっこをして)遊んでいる子の姿が、他校と比べても多かったように感じられます。
また、昼休みに図書室で熱心に読書をしている姿はとても嬉しかったのですが、床に座り込んだり寝転がっている子供たちが多く、これは教室や廊下でも同じ様子が多数散見されました。これは、他校を見回って来た中でもなかった事象です。
こうした「地べたに座り込む」習慣がついた子供たちが大きくなって社会に出たら、どうなるでしょう。所構わず座り込む青少年を、一時「ジベタリアン」などと呼んで眉を顰める大人がいましたが、今や指導すらしなくなったのでは、その風潮に歯止めがかかろう筈がありません。
なかなか子供に対して教育・指導が難しい風潮かも知れませんが、この風潮を改めるのは、他ならぬ私たち大人の務めです。家庭・学校・地域の三位一体となって、取り組まねばならないと考えます。
さて、話の方向性を変えまして、6年生の廊下に掲示されていた短歌のコーナー。お題は『たのしみは~』となっていて、以前に他校でも見かけたことから、同じカリキュラムを組んでいるのかも知れません。
そんな中で、角田の選んだこの一首。
「たのしみは 夜寝る前に 寝室で、
一人静かに 本を読む時。」
友達と一緒にはしゃいでいたいお年頃でしょうに、ちょっとませた印象です。しかし、一人の時間を楽しむことは、人生をとても豊かにしてくれる土壌を養う、と、経験則から補記しておきます。
そんな中で目を引いたのが、授業時間に遅れた子供が教室に入る時、他校であればさも当然のように入っていく中で、「時間に遅れてごめんなさい」と告げてお辞儀をしてから入っている様子を見て、きちんと時間の厳守が(少なくとも意識の上では)徹底できていることを実感しました。
そうこう回っていると、北校舎の昇降口に昔から掲示されている「山崎小学校校歌」。これを改めて見直してみると、実はこの校歌、五番まであったことを知りました。今まで二番までだと思っていたのですが、それは一番と五番だけを歌っていたのでした。
本当の歌詞は、こちらです。
<山崎小学校校歌>
作詞:山崎小学校 児童
作曲:山崎小学校 音楽部
一、さくらの花よ 鎌倉の
心をうつす 里のうた
さくらの花に 手をのべて
友と心を 語り合う
さくら さくら さくら 山崎小学校
二、若葉のひかり 鎌倉の
力をうつす 里のうた
若葉のひかり 手にこめて
友と力を きそいあう
若葉 若葉 若葉 山崎小学校
三、もみじの色よ 鎌倉の
姿をうつす 里のうた
もみじに色を 手にとりて
友と姿を えがきあう
もみじ もみじ もみじ 山崎小学校
四、清水の流れ 鎌倉の
生命をうつす 里のうた
清水の流れ 手にうけて
友と生命をたたえあう
清水 清水 清水 山崎小学校
五、小鳥のうたよ 鎌倉の
のぞみをうつす 里のうた
小鳥のうたを 手によせて
友とのぞみを たかめあう
小鳥 小鳥 小鳥 山崎小学校
<ここまで>
ちょっと長すぎるきらいがないでもありませんが、とてもよい歌詞なので、公式行事ではすべて歌わなくても、是非とも全部教えて欲ししいと思います。かつて先輩たちが作ってくれた、鎌倉の美しさを見事に表現するこの校歌を、是非とも歌い継ぎたいものです。
学校公開(富士塚小学校)。 posted by (C)角田晶生
さて、これまで各校を回って来ましたが、10月末までまだまだ続く「学校へ行こう週間」、予定ではあと3校を見学して回ろうと計画しております。もしよろしければ、是非ともご一緒いただけましたら幸いです。
===============お知らせ===============
※鎌倉の教育を考える会より。
【学校に行こう週間・見学日程】
※集合場所:各校の校門付近。
※連絡先: 090-4454-8858 (代表・角田晶生)
10月25日(木) 11:00ごろ~ 関谷小学校
13:00ごろ~ 大船小学校
10月30日(火) 11:00ごろ~ 小坂小学校
by sasalindou
| 2012-10-24 15:52