2013年 01月 21日
【傍聴】第3回鎌倉市公共施設再編計画策定委員会。【笹竜党・角田晶生】 |
第3回鎌倉市公共施設再編計画策定委員会。 posted by (C)角田晶生
(角田晶生・笹竜党 代表)
平成25年1月21日(月)、鎌倉市役所全員協議会室にて実施された第3回「鎌倉市公共施設再編計画策定委員会」を傍聴させて頂きました。
当日は委員6名(全7名中)、鎌倉市職員ら(一部に民間業者含む)20名、傍聴4名という顔ぶれでしたが、傍聴者の中に、資料を持ち帰りできないルールが不満らしく、「なぜダメなんだ。市民には知る権利があるのに、公開しない理由がわからない」などとゴネていましたが、委員長より「ご静粛に願います」と制止され、大人しくなりました(が、終了後に再び騒ぎ出しました)。
横から首を突っ込んで事をややこしくしても申し訳ないので職員にお任せしましたが、いい歳をした大人が、何でもかんでも「権利、権利」と騒ぎ立てる姿は、まさに「我が振り」を直す絶好の教材となりました。
※ちなみに、討議中の資料を持ち帰らせないのは、未定(素案の状態)である情報が「市の正式決定である」かのように出回ってしまうことを予防するための措置と推察されます。それを裏付けるように、既に決定され、発表された資料に関しては、持ち帰りが認められていました。
閑話休題(かんわきゅうだい、話を元に戻すこと)。
さて、かつて鎌倉市では高度経済成長期に伴う人口増加に対応するべく公共施設を増やしましたが、これが現在財政を圧迫する原因となっています。維持・管理にこれ以上予算は割けないけれど、このまま放置すれば施設の老朽化によって、九段会館(東日本大震災によって天井が崩落)や笹子トンネル(整備不良によって天井が崩落)の過ちを繰り返しかねません。
そこで、鎌倉市では、今後40年計画を立てて公共施設の維持・管理を見直すことで、財政負担の軽減と市民の安全かつ快適な公共サービスの確保を両立させようと、これまでに「鎌倉市公共施設再編計画策定委員会」が開かれ、官民協働で公共施設のあり方について検討して来ました。
そんな今回の議題は、以下の5つでした。
1)前回の議事録確認
2)市民に対するアンケート調査の結果について
3)基本方針(案)について
4)シンポジウムについて
5)パブリックコメントについて
資料を見ると、前回の議事録は委員の発言が逐一記録されている丁寧なものではありましたが、これをパッと見て議論の様子を把握するのは非常に難しく、議論の結果を要点でまとめて貰えたら助かる、という旨を、傍聴者用のアンケート用紙に書き加えておきました。
続いて市民に対するアンケートとは、以下の要領で実施されたそうです。
※期間:平成24年12月10日~19日(9日間)
※対象:18歳以上の鎌倉市民(当然、在住者)から無作為抽出した2,000名
※回答:806名(回答率40.3%)
アンケートには様々な項目が設けられていましたが、その中で「鎌倉市に住んでいる(転入者については、鎌倉市を選んだ)理由」について、以下のような回答がありました。
1)自然環境が良好だから……23.1%
2)家庭の都合……13.8%
3)閑静な街並み……10.6%
4)結婚したから(≒配偶者が鎌倉市民)……10.2%
5)古都としての歴史的魅力……10.0%
6)生まれ故郷だから……9.4%
7)通勤・通学に便利だから……7.5%
8)鎌倉という「ブランド」があるから……5.7%
9)その他……4.1%
10)転勤して来た……3.2%
11)教育(環境が良好)のため……2.2%
12)公共施設が充実しているから……0.3%
この結果に対して、現状において公共施設が「充実している」と考えている人が非常に少ないことを挙げて、「現在の公共施設を整理・統合することで個々の充実を図り、鎌倉市の魅力を高めよう」という論調がありました。
また、アンケートによると、大船体育館やレイ・ウェル鎌倉、鎌倉芸術館については民営化や学校施設との複合化(学校施設を兼ねて利用することで、上手く予算を融通することと解釈)に肯定的な意見が多く寄せられ、官民協働で公共サービスを維持・向上させ、かつ安全性を確保する選択肢も求められているようでした。
そんな公共施設のあり方を考えるシンポジウムが、下記の要領にて開催されるそうです。
<公共施設のあり方を考えるシンポジウム>
※日時:平成25年2月2日(土) 10:00~12:00 (開場9:30)
※開場:鎌倉市商工会議所 地下ホール
※会費:無料(先着150名)
※予定:一、市長挨拶(松尾崇 鎌倉市長)
一、基調講演・根本祐二 東洋大学教授(経済学部)
「公共施設マネジメントはなぜ必要か
-物理的崩壊と財政破たんを避ける道-」
一、パネルディスカッション
※コーディネーター:根本祐二 氏
※パネリスト
小松幸夫 早稲田大学教授(創造理工学部)
増井玲子 東洋大学サポートパートナー(PPP研究センター)
南学 鎌倉市政策創造専門委員
瀧澤由人 鎌倉副市長
※主催:鎌倉市
※連絡:鎌倉市経営企画部経営企画課(内線2565)
facility@city.kamakura.kanagawa.jp
ちなみに、次回(第4回)鎌倉市公共施設再編計画策定委員会は3月27日(水)を予定しているそうですが、詳しいことは「広報かまくら」に掲載されると思いますので、そちらをご確認いただければと思います。
by sasalindou
| 2013-01-21 22:16