2013年 01月 29日
【傍聴】第6回鎌倉市総合計画審議会。【笹竜党・角田晶生】 |
第6回鎌倉市総合計画審議会。 posted by (C)角田晶生
(角田晶生・笹竜党 代表)
平成25年1月29日(火)、鎌倉市役所(議会第1委員会室)にて実施された第6回「鎌倉市総合計画審議会」に出席(委員11名、事務局6名、幹事5名、傍聴2名)、傍聴させて頂きました。
今回は平成8年より4期30年にわたっての実施が予定されている「第3次鎌倉市総合計画」中、平成26年度~31年度の実施が予定されている「第3期基本計画第1次素案(原案)」の見直しについて議論されました。
審議では、1)市民自治の確立、2)人間性豊かなまちづくり、3)環境共生都市の創造という基本理念に基づいた、幅広い鎌倉市の将来都市像と将来目標(※1)の全体が示された上で、見通しの厳しくなった財政事情と逼迫した首都圏直下型地震への対応から、「防災・減災」を重点施策として注力していくことが提示されたところ、委員から多くの指摘が寄せられました。
「計画書の文章表現を工夫しないと、市民から見て『この6年間、防災以外は何もやらない』ような印象を与えてしまう」
「計画全体が非常に手広く、本当に全部実行できるのかと思わせる。ブラッシュアップが必要」
「全体的に絞り込んだ上で防災を強調しないと、市民に防災施策の重要性が伝わりにくいのではないか」
「全体的な紙数が多い割には、重点施策である筈の防災・減災について手薄になっている印象を受ける」
「人命第一は理解できるが、鎌倉は歴史的遺産に多くの恩恵を受けているのだし、神社仏閣や史跡、文化財に対する手厚い保護・防災施策が必要ではないか」
「もしも鎌倉が被災した際、最も重要となる受給体制(支援人員・物資の流通・ロジスティクス)について、日頃からの構築が不可欠」
こうした指摘について見直した上で大筋の合意が得られたため、第1次素案(原案)は可決され、平成26年度からの第3期基本計画実施に向けて、事務局による修整が加えられます。
また、委員の中には「こうした広汎にわたる計画をまとめて『どうですか?』と訊かれても、全体像が漠然として構想をとらえにくい。時間や予算に限りはあるだろうが、できるだけ会合自体の回数を増やした方が、一回ごとの会議に具体性が出る」「公共施設の再編を、単に財政難の対処としてではなく、硬直した行政システムをブレイクスルー(※2)するキッカケとして、市民・行政・事業者・NPOなどの役割を超えた鎌倉型(※3)のまちづくりを進めたい」などの意見もありましたが、指摘の通り、全体的に漠然とした意見も多く伺えました。要するに「鎌倉市の諸問題を全体的にナントカしたい」と言っているようです。
(※1)
鎌倉市の将来都市像と将来目標(資料から書き写しました)
1、人権を尊重し、人との出会いを大切にするまち
(1)平和を希求するまちをめざします
(2)人権を尊重し、だれもが社会参画できるまちをめざします
(3)世界に開かれたまちをめざします
2、歴史を継承し、文化を創造するまち
(1)歴史環境を保全します
(2)新たな文化を創造・発信します
3、都市環境を保全・創造するまち
(1)みどりの保全・創作・活用を図ります
(2)鎌倉らしい都市景観をつくりだします
(3)省資源・循環型社会をめざします
4、健やかで心豊かに暮らせるまち
(1)健康で生きがいにみちた福祉のまちをめざします
(2)子育てしやすいまちをめざします
(3)豊かな心をもった人間を育てます
(4)青少年が健やかに成長できる環境づくりを進めます
(5)豊かな生涯学習社会の創造をめざします
(6)気軽にスポーツを楽しめるまちにします
5、安心で快適な生活が送れるまち
(1)災害に強い、安心して暮らせるまちをめざします
(2)市街地の整備を進めます
(3)総合的な交通体系をつくりだします
(4)安全な道路の整備を進めます
(5)快適な住環境をつくり出します
(6)下水道の整備とともに、親しまれる河川づくりを進めます
6、活力のある暮らしやすいまち
(1)産業の振興により活力のあるまちをめざします
(2)快適で魅力ある観光をめざします
(3)勤労者の福祉を充実します
(4)消費者として暮らしやすいまちをめざします
<私見>
全体的に抽象的で、何となく「こうだったらいいよね」という願望を述べているだけに聞こえますが、1、の(2)(3)は「自治基本条例」や「外国人参政権」につながる危険性を孕んでいる分、妙に具体的です。ともすれば、人権問題に結びつけて「外国人に参政権がない≒社会参画できないのは差別だ!人権侵害だ!」と言い出しかねない勢いです。
後はまぁ、「鎌倉らしい都市景観」とか「総合的な交通体系」とか、聞こえはいいものの、そのビジョンが非常に曖昧な文言をずらりと並べた印象です。
(※2)
審議中、多くの方から発言された単語ですが、意味が共有されているのかは疑問です。恐らく「問題が解決して、スイスイ進む」程度の意味だと推察します。
(※3)
どのあたりが「鎌倉型」なのかはよくわかりませんが、恐らく「他都市に先んじた行政改革の実例として『鎌倉』の名を冠することが出来るだろう」程度の意味だと推察します。
次回は平成25年4月の実施を予定、詳しくは「広報かまくら」などをチェックしていただければと思います。
原稿執筆中。 posted by (C)角田晶生
さて、そんな帰り道、委員の一人がお声がけ下さいました。
「今日は傍聴に来てくださり、ありがとうございます」
これまで傍聴に足を運んで、委員の方からお礼なんて言われることがなかったので、少しどぎまぎしてしまいましたが、少しの間ではありますが、楽しくお話をすることが出来ました。
「お若いのに、地域のことに関心があるんですか?」
ここで海上自衛官時代、故郷を遠く離れた生活を通して、強く郷土愛が芽生えたこと、元から神社仏閣、史跡や文化財が大好きであることをお伝えしました。
「私も、歴史や文化財が大切だと思って活動しています。鎌倉という町は、よく『歴史の街』とか『武家の古都』と、何かと歴史を強調するのに、行政はその保護を軽んじていると思います。議員にその事を訴えても、票にならないから、なかなか質問もしてくれません。確かに有事は人命が第一だけど、荒れ果てた故郷を再建する原動力は、やっぱり故郷の歴史や文化、アイデンティティです。図書館みたいな公共施設も、やれ民営化すれば万事うまくいくような論調で語られるけど、文化の保護は目先の損得じゃないからこそ、公でやらなければなりません」
と言ったお話を伺って、やはり今の鎌倉が、間違いなく鎌倉らしさを失い、鎌倉というブランドだけが切り売りされている現状を改めて認識させられました。
「世界遺産登録によって、中世鎌倉がクローズアップされるのは、それはそれでいいことです。でも、それだけじゃありません。鎌倉と言うのは、遠く縄文時代から昭和、平成の今に至るまで、人々が息づいて営んできた、私たちの故郷です。私は、それを守りたいのです」
この言葉こそ、私たちの血の中に眠る故郷への思いです。この思いなくして、故郷・鎌倉への愛は語れないと思います。
鎌倉、好きですか?
私は好きだと、天地神明に誓って申し上げます。
=============== お知らせ ===============
【鎌倉保守の会】『鎌倉ささりん党』を応援する街宣活動。【鎌倉駅東口】
【日時】平成25年2月2日(土) 14:00~16:30
【場所】鎌倉駅東口(鶴岡八幡宮・若宮大路側)
【演題】鎌倉市政・教育問題について
【弁士】野田誠(のだ まこと)鎌倉保守の会 代表
角田晶生(つのだ あきお・笹竜党 代表)
【活動】14:00~14:15 開場準備
14:15~16:30 街頭演説・チラシ(討議資料)配布
※雨天時は演説のみとなります。
16:30 活動終了
※付近のお店で打ち合わせ・懇親会を予定しています。
【備考】見学のみも歓迎です。
撮影が入る可能性もありますので、必要な方は帽子・マスクなどご用意下さい。
現場責任者の指示に従って下さい。
【主催】鎌倉保守の会
http://wiki.livedoor.jp/kamakurahoshunokai
【連絡】rei_2007@livedoor.com (野田代表)
by sasalindou
| 2013-01-29 22:34