2013年 02月 28日
【傍聴】第3回鎌倉市交通計画検討委員会。【角田晶生】 |
鶴岡八幡宮 直会殿。 posted by (C)角田晶生
(角田晶生・笹竜党 代表)
平成25年2月28日(木)、鶴岡八幡宮 直会殿にて実施された第3回「鎌倉市交通計画検討委員会」を傍聴させて頂きました。
当日は委員28名、事務局16名にあわせて傍聴4名、鎌倉地域における「交通渋滞緩和と歩行者の安全確保、世界遺産に相応しい交通環境の改善」を主題として、現状説明や意見交換がなされました。
世界遺産に相応しい交通環境(アンケート結果:歩行者安全26.8%、古都景観23.6%、居住環境22.9%、公共交通16.6%、渋滞解消14.9%、安全安心・快適11.1%ほか)の実現に向けた交通改善の施策として、当局(閲覧資料による)は、
「居住環境の向上と商業観光の活性化を促す観光交通のモビリティマネジメント※(公共交通優遇施策+総合交通観光情報とのパッケージ施策)を主体とした社会実験~交通規制等の強制力を伴わない自主的な行動変化の効果検証~」
を行うとしていますが、お役所言葉を噛み砕くと、概ね以下のようになります。
「住み心地を良くし、商売を繁盛させるため、公共交通機関を充実させるなどの工夫によって、市民が自発的に渋滞緩和に協力してくれるようになるか、様子を見る(大意)」
※ちなみに「モビリティマネジメント(Mobility Management、移動管理)」とは、市民や社会にとってよりよい交通状況を生み出すために誘導する施策などを言うそうですが、あまりなじみのない外来語を多用するのは、市民の便に供さないように思われます。
また、具体的な施策としては、鎌倉地域への自家用車乗り入れの制限検討やパーク&ライド(市境地域の駐車場に自家用車を停め、市内は徒歩や公共交通機関を利用する制度)の促進、循環バスの増便にあわせた「世界遺産手形(いわゆる環境手形の強化版)」の発行などが言及されましたが、中でも印象的なのが、仏教会から参加された委員の方による発言でした。
「手形もそうだが、『世界遺産』ばかりを意識した施策は、登録対象とならない地域の協力を得にくいと思う。むしろ市民の多くは『鎌倉』という名前に誇りを持つ市民も多い。
そして、交通計画には古くから日本人が伝えてきた『道』という精神的概念を落とし込んで欲しい。『自分さえ快適ならそれでいい』という利便追求の自家用車を下りて、みんなが同じ道を歩き、交流できる。そういう鎌倉の実現に資するものとしたい」
世界遺産という舶来のブランドに依存せずとも、鎌倉には世界に誇れる文化と伝統を持っていることを、改めて実感する一幕でした。
鶴岡八幡宮。 posted by (C)角田晶生
ひな人形展(鎌倉国宝館)。 posted by (C)角田晶生
by sasalindou
| 2013-02-28 12:54