2012年 12月 03日
【町内指定文化財】アプローチを変えよう。【角田晶生】 |
(角田晶生・笹竜党 代表)
さて、先刻「鎌倉市で指定できてない文化財を、町内で独自に文化財指定することで、法的拘束力はなくても不敬行為(例:汚損や毀損など)に対する抑止効果が期待できるのではないか」という主旨の下に提出した「町内指定文化財制度の創設」提案について、小袋谷町内会長より電話と書面でご回答を頂きました。
<回答書面・ここから>
平成24年12月3日
角田晶生様
小袋谷町内会
会長 XXXXX
TEL XX-XXXX
「町内指定文化財」制度創設の提案について(回答)
ご提案いただきました「町内指定文化財」制度創設の提案について、平成24年12月1日小袋谷町内会役員会(26名出席)に計りました結果について連絡します。
小袋谷町内会においては、町内指定文化財制度の創設の必要が生じていないと判断します。
理由
1 町内指定文化財の対象となる石碑等が少ないこと。
郷土の歴史に詳しい役員を含め意見を求めたところ、3件の石碑等(石道標、庚申塔、石祠)がありますが、内2件は既に市の教育委員会から指定を受けております。
2 対象となる1件については、役員のボランティアが週1回程度清掃しており、維持管理がなされていること。
以上の理由で、制度の創設は行いませんが、貴殿の文化財を大切にしたい趣旨には役員一同賛成でしたので、今後とも町内会へのご意見、ご提案をよろしくお願いいたします。
<回答書面・ここまで>
上記の書面に合わせて町内会長より電話もいただいたのですが、やはり12月1日(土)の役員会に出席し、提案の趣旨をより詳細に説明しておくべきだった、と思いました。
※12月の役員会は終了後に忘年会を予定していたとの事で参加を遠慮しましたが、もしかしたらそっちの事で気もそぞろだったのかも知れません。
今回の提案は、ただ小袋谷町内会だけに向けたものではなく、むしろ今もなお、石碑などの文化財を粗略にしている自治体・町内会に対しての意識向上・啓発を目的としたもので、小袋谷の皆さんが第一鎌倉踏切(成福寺の踏切)脇の弁天堂が大切にされているのは、供えられている水が綺麗であることを見てもわかります。
弁天堂(第一鎌倉踏切)。 posted by (C)角田晶生
しかし、「必要が生じて」からでは手遅れとも言えます。
意識が高ければ必要は生じないし、意識が低ければ必要になっても導入が難しい、実に困った話ではありますが、ならば予防することが第一ではなかろうか、と私は考えるのです。
ちなみに、役員会の皆さんは言及されなかったようですが、町内指定文化財の候補としてもう二つ、以前の日記でも紹介した亀甲山の「馬頭観世音(石碑)」と、もう一つ「公会堂の力石」があります。
馬頭観世音(亀甲山・成福寺)。 posted by (C)角田晶生
【発見】亀甲山(成福寺)の馬頭観音。【鎌倉市小袋谷】
http://sasalindou.exblog.jp/19485400/
鎌倉市教育委員会 社会教育部文化財保護課が地域の高齢者から聞き取った昔話を編集・発行した『としより の はなし 鎌倉市文化財資料 第7集(昭和46年12月10日第一刷)』によりますと、
「力石は、いま公会堂の下にほうりこんである。二十六貫と十八貫のがあった(281ページ 小袋谷)」
という言及があり、現在建て替える前の公会堂で、祖母も見たことがあると言っていました。
力持ちで有名だった地元の兵藤文次郎さんという方が、十八貫の力石を方に担ぎ上げ、それを背中に回した(背負った)後に前に戻して見せたあと、「どうでしょう」と軽く言った逸話があるそうです。
鎌倉市/鎌倉市発行の有償刊行物一覧
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/soumu/kanko.html
この力石についてはまた調査するとしまして、他にも町内会長からのお話では、
「文化財なんて大それたものを、町内会でしてしまってよいものだろうか?」
「いざ指定する段になったら、どのような基準で指定すればいいのだろうか?」
「そして指定したら、維持や管理などで手数がかかってしまう」
などの懸念材料が示されました。
正直なところ、法的拘束力はないものだし、せいぜいが「町内指定文化財である」旨の標識を設置し、その事を記録に残し、定期的な清掃などを実施すればよい、と考えますが、やはり「文化財」という名称が、そうした「身構え」を生んでしまったのかも知れません。
今度は「文化財指定」と言った大上段からのアプローチではなく、ソフトに「住民みんなで、町の思い出やエピソードを共有できるよう、由緒書きを作って掲示しませんか?」程度のアプローチで迫ってみたいと思います。
もちろん、その由緒書き(文面)については役員会の皆さんと話し合ってアドバイスをいただき、よいものを作れたらいいな、と思います。
元々その程度のニュアンスだったのですが、何ぶん手探りなもので、こちらも少し鼻息が荒くなってしまったかも知れません。
せっかく「今後とも町内会へのご意見、ご提案をよろしくお願いいたします」とありがたいお言葉も頂戴したことですし、今度はよりソフトに、実現しやすいプランを提案したいと思います。
さて、先刻「鎌倉市で指定できてない文化財を、町内で独自に文化財指定することで、法的拘束力はなくても不敬行為(例:汚損や毀損など)に対する抑止効果が期待できるのではないか」という主旨の下に提出した「町内指定文化財制度の創設」提案について、小袋谷町内会長より電話と書面でご回答を頂きました。
<回答書面・ここから>
平成24年12月3日
角田晶生様
小袋谷町内会
会長 XXXXX
TEL XX-XXXX
「町内指定文化財」制度創設の提案について(回答)
ご提案いただきました「町内指定文化財」制度創設の提案について、平成24年12月1日小袋谷町内会役員会(26名出席)に計りました結果について連絡します。
小袋谷町内会においては、町内指定文化財制度の創設の必要が生じていないと判断します。
理由
1 町内指定文化財の対象となる石碑等が少ないこと。
郷土の歴史に詳しい役員を含め意見を求めたところ、3件の石碑等(石道標、庚申塔、石祠)がありますが、内2件は既に市の教育委員会から指定を受けております。
2 対象となる1件については、役員のボランティアが週1回程度清掃しており、維持管理がなされていること。
以上の理由で、制度の創設は行いませんが、貴殿の文化財を大切にしたい趣旨には役員一同賛成でしたので、今後とも町内会へのご意見、ご提案をよろしくお願いいたします。
<回答書面・ここまで>
上記の書面に合わせて町内会長より電話もいただいたのですが、やはり12月1日(土)の役員会に出席し、提案の趣旨をより詳細に説明しておくべきだった、と思いました。
※12月の役員会は終了後に忘年会を予定していたとの事で参加を遠慮しましたが、もしかしたらそっちの事で気もそぞろだったのかも知れません。
今回の提案は、ただ小袋谷町内会だけに向けたものではなく、むしろ今もなお、石碑などの文化財を粗略にしている自治体・町内会に対しての意識向上・啓発を目的としたもので、小袋谷の皆さんが第一鎌倉踏切(成福寺の踏切)脇の弁天堂が大切にされているのは、供えられている水が綺麗であることを見てもわかります。
弁天堂(第一鎌倉踏切)。 posted by (C)角田晶生
しかし、「必要が生じて」からでは手遅れとも言えます。
意識が高ければ必要は生じないし、意識が低ければ必要になっても導入が難しい、実に困った話ではありますが、ならば予防することが第一ではなかろうか、と私は考えるのです。
ちなみに、役員会の皆さんは言及されなかったようですが、町内指定文化財の候補としてもう二つ、以前の日記でも紹介した亀甲山の「馬頭観世音(石碑)」と、もう一つ「公会堂の力石」があります。
馬頭観世音(亀甲山・成福寺)。 posted by (C)角田晶生
【発見】亀甲山(成福寺)の馬頭観音。【鎌倉市小袋谷】
http://sasalindou.exblog.jp/19485400/
鎌倉市教育委員会 社会教育部文化財保護課が地域の高齢者から聞き取った昔話を編集・発行した『としより の はなし 鎌倉市文化財資料 第7集(昭和46年12月10日第一刷)』によりますと、
「力石は、いま公会堂の下にほうりこんである。二十六貫と十八貫のがあった(281ページ 小袋谷)」
という言及があり、現在建て替える前の公会堂で、祖母も見たことがあると言っていました。
力持ちで有名だった地元の兵藤文次郎さんという方が、十八貫の力石を方に担ぎ上げ、それを背中に回した(背負った)後に前に戻して見せたあと、「どうでしょう」と軽く言った逸話があるそうです。
鎌倉市/鎌倉市発行の有償刊行物一覧
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/soumu/kanko.html
この力石についてはまた調査するとしまして、他にも町内会長からのお話では、
「文化財なんて大それたものを、町内会でしてしまってよいものだろうか?」
「いざ指定する段になったら、どのような基準で指定すればいいのだろうか?」
「そして指定したら、維持や管理などで手数がかかってしまう」
などの懸念材料が示されました。
正直なところ、法的拘束力はないものだし、せいぜいが「町内指定文化財である」旨の標識を設置し、その事を記録に残し、定期的な清掃などを実施すればよい、と考えますが、やはり「文化財」という名称が、そうした「身構え」を生んでしまったのかも知れません。
今度は「文化財指定」と言った大上段からのアプローチではなく、ソフトに「住民みんなで、町の思い出やエピソードを共有できるよう、由緒書きを作って掲示しませんか?」程度のアプローチで迫ってみたいと思います。
もちろん、その由緒書き(文面)については役員会の皆さんと話し合ってアドバイスをいただき、よいものを作れたらいいな、と思います。
元々その程度のニュアンスだったのですが、何ぶん手探りなもので、こちらも少し鼻息が荒くなってしまったかも知れません。
せっかく「今後とも町内会へのご意見、ご提案をよろしくお願いいたします」とありがたいお言葉も頂戴したことですし、今度はよりソフトに、実現しやすいプランを提案したいと思います。
by sasalindou
| 2012-12-03 22:59