2013年 03月 31日
【鎌倉三日会・教育講演】カナダから見た、日本の姿。【角田晶生】 |
鎌倉三日会。 posted by (C)角田晶生
(角田晶生 つのだ あきお・笹竜党 代表)
平成25年3月31日(日)、鎌倉生涯学習センター(きらら鎌倉・第6集会室)にて実施された鎌倉三日会(かまくら みっかかい)の定例会に出席。会員である松井和弘(まつい かずひろ)さんの講演を傍聴させて頂きました。
NPO紹介 - 鎌倉三日会
http://www.kcn-net.org/npo/065.html
松井さんは日加(カナダ)交流のかけはしとしてご活躍され、平成16年9月の初渡航以来、4回13ヶ月10家庭ものホームステイを実施。ネチャコバレー中等学校(Nechako Valley Secondary School。日本の中学~高等学校にあたる)はじめ18校を訪問、招聘(ゲスト)教師として1,000名以上の生徒に教鞭をとられた体験談をご紹介下さいました。
海外体験談セミナー&説明会「海外で活躍する日本人」各国シリーズ (カナダ編)
http://www.clubiip.com/seminar/taikendan-seminar080621.shtml
最初は大変な苦労もなされたようですが、長寿効果のある(※1)正しい姿勢(人呼んで「ミスター松井のロングライフエクササイズ」とのこと)や折り紙に見る日本の高度技術の原点(Corner to Corner Exactly※2)など、日本文化を通して生徒たちの心を掴んだユニークなアプローチは、日本の教育再生にも十分なヒントを示す貴重なものでした。
(※1)姿勢が悪いと血流が滞り、健康を損なうことが医学的に実証されているとの事でした。
(※2)「隅と隅をきちんと合わせる」意味で、折り紙の美しさは、いかに端を揃えるかで決まることから、折り目正しく生きることを教えられたそうです。
講演会の締めくくりとして、松井さんは本当の意味での国際社会に対応できる教育再生を主張されました。
「カナダでは、日本という国を『中国の一部』だと勘違いしている人が少なからずいる。よく見ればマナーで日本人と中国人の違いがわかるが、これは取りも直さず日本人が祖国・日本の姿をきちんと発信できていないことを意味している。国際化教育とは、単に外国の文化に憧れ、流される事ではなく、自国の文化や魅力をきちんと発信できるよう、学ぶことである(大意)」
また、教育再生の策として、以下を提言(一部)されていました。
※項目の下段は、角田による補足です。
一、教員免許制度を改正し、小中高教師の人事交流を可能にする。
ノウハウや児童・生徒の情報も共有し、単に「自分が預かっている子」ではなく、「みんなでその子(児童・生徒)を育てる」という、子供を主体とした教育体制を実現できます。
※現行法の改正が難しいかも知れませんが、交流を密にしたり、出向という形で実現できる可能性はありそうです。
一、シニアの補助教員制度を作る。
何かとお荷物扱いされがちな高齢者を、知恵とノウハウを持つ「人生の先輩」として教育現場に招くことで、学級運営の円滑化や人間関係の調和を図ることができます。
一、都道府県単位で中学生の短期交換留学制度を作る。
いわば短期間の転校で、他校の環境にふれさせることで新たな刺激や発想のヒントを得ることが期待されます。
こういうあまりおカネを使わずに出来る学校・教育再生の知恵が、必ずや鎌倉のみならず、日本の教育行政に、大きなヒントを与えるものと期待されます。
by sasalindou
| 2013-03-31 19:48