2013年 08月 16日
【鎌倉市議会・千議員へ意見書】参政権は基本的人権ではありません。【角田晶生】 |
(角田晶生 つのだあきお・笹竜党 代表)
鎌倉市議会の活動広報紙『かまくら議会だより』平成25年8月1日号の一般質問欄を読んでいると、議員と発言概要の欄に気がかりなものを見つけました。
「どんな立場におかれている市民にも参政権を」
発言者は千一議員。ご自身が障害を持っているから、恐らく障害者の政治参加を推進する意図での発言とは思われましたが、いかんせんその内容が書かれていません。
そこで、鎌倉市議会の動画を視聴して、内容を確認したところ、やはりそのような意図によるものでしたが、障害者には既に参政権(選挙権・被選挙権)が認められており、この発言によって、現在参政権を有していない市民(例:外国人など)に対する参政権付与を助長する根拠として悪用される危険性を懸念して、以下の意見書を送りました。
<ここから>
件名:鎌倉市議会6月定例会でのご発言につきまして。
拝啓 千一 鎌倉市議会議員
残暑の候、益々ご清祥のこととお悦び申し上げます。小袋谷の角田晶生(つのだ あきお)と申します。
さて、鎌倉市議会6月定例会における議員の一般質問について、お願いしたい事があり、お便りさせて頂きました。
議員は、議会で「どのような立場におかれている市民にも参政権を」というテーマ(『かまくら議会だより』平成25年8月1日号)で、以下の質問をされています(動画より書き起こし)。
「参政権は基本的人権です。ですから、半世紀以上も前に誰もが投票できるようになったのです。今現在の選挙を見ていると、そんなに不正が出来るようには思えません。この参政権については、何度も裁判を行われました。一日も早く誰もが選挙が出来るように国に働きかけをお願い致します。
鎌倉市には私のような重度の障害者も議員としていられるくらいな、人の大きさがあります。投票ばかりでなく、誰もが立候補できて、こうして議会で発言できるような仕組みづくりを、国においても考えていただきたいものです。いかがですか?(全文)」
議員の主張が「障害者の政治参加促進」に重点を置いたものであることは、この文脈を読めば理解できますし、その主旨には賛同します。
しかしながら、参政権は基本的人権ではありません。
基本的人権とは「人間が生まれながらに有する権利」であり、参政権が基本的人権であるなら、子供にも選挙権が与えられなければなりません。こうした「過剰な人権意識」の独り歩きは大変由々しき事ではありますが、それはそれとして、話を本題に戻します。
私は議員の発言が、外国人参政権付与を推進する世論形成を助長するものと危惧しています。
議員の仰る「誰もが」という言葉には、当然にして外国人も含まれるとするのが文字通りの解釈です。流石に子供にまで参政権を与えよという意見はないと思われますが、一部外国人の中には日本の政治を母国へ有利に動かそうと、参政権を求める声があります。
障害者(成年被後見人)の参政権については東京地裁判決(平成25年3月)に基づく公職選挙法の改正(同年5月)によって既に付与されており、より積極的な政治参加を求めるならば、用いるべき文言は「参政権」ではない筈です。
以上の事から、議員の一般質問について、今後は「どのような立場におかれている市民にも参政権を」から、「障害者の政治参加推進」と言ったニュアンスに改めて頂きたく、お願い申し上げる次第です。
議員に悪意はないものと信じますが、こうした言葉の「隙」が日本社会の秩序を地方から揺るがしかねないという危機感を、強く持って職務に臨んで頂けましたら、市民として嬉しく思います。
末筆になりますが、暑い日々が続きますので、どうかご自愛願います。
敬具
平成25年8月16日(金)
角田晶生(つのだ あきお)
〒 247-0055
鎌倉市小袋谷2-1-9 1階
090-4454-8858
<ここまで>
些細な言葉尻かも知れませんが、こうしたところから有形無形の糸口にされるリスクがないとは言えません。
そうした危機意識が、日本全国で欠けているように憂慮されてなりません。
鎌倉市議会の活動広報紙『かまくら議会だより』平成25年8月1日号の一般質問欄を読んでいると、議員と発言概要の欄に気がかりなものを見つけました。
「どんな立場におかれている市民にも参政権を」
発言者は千一議員。ご自身が障害を持っているから、恐らく障害者の政治参加を推進する意図での発言とは思われましたが、いかんせんその内容が書かれていません。
そこで、鎌倉市議会の動画を視聴して、内容を確認したところ、やはりそのような意図によるものでしたが、障害者には既に参政権(選挙権・被選挙権)が認められており、この発言によって、現在参政権を有していない市民(例:外国人など)に対する参政権付与を助長する根拠として悪用される危険性を懸念して、以下の意見書を送りました。
<ここから>
件名:鎌倉市議会6月定例会でのご発言につきまして。
拝啓 千一 鎌倉市議会議員
残暑の候、益々ご清祥のこととお悦び申し上げます。小袋谷の角田晶生(つのだ あきお)と申します。
さて、鎌倉市議会6月定例会における議員の一般質問について、お願いしたい事があり、お便りさせて頂きました。
議員は、議会で「どのような立場におかれている市民にも参政権を」というテーマ(『かまくら議会だより』平成25年8月1日号)で、以下の質問をされています(動画より書き起こし)。
「参政権は基本的人権です。ですから、半世紀以上も前に誰もが投票できるようになったのです。今現在の選挙を見ていると、そんなに不正が出来るようには思えません。この参政権については、何度も裁判を行われました。一日も早く誰もが選挙が出来るように国に働きかけをお願い致します。
鎌倉市には私のような重度の障害者も議員としていられるくらいな、人の大きさがあります。投票ばかりでなく、誰もが立候補できて、こうして議会で発言できるような仕組みづくりを、国においても考えていただきたいものです。いかがですか?(全文)」
議員の主張が「障害者の政治参加促進」に重点を置いたものであることは、この文脈を読めば理解できますし、その主旨には賛同します。
しかしながら、参政権は基本的人権ではありません。
基本的人権とは「人間が生まれながらに有する権利」であり、参政権が基本的人権であるなら、子供にも選挙権が与えられなければなりません。こうした「過剰な人権意識」の独り歩きは大変由々しき事ではありますが、それはそれとして、話を本題に戻します。
私は議員の発言が、外国人参政権付与を推進する世論形成を助長するものと危惧しています。
議員の仰る「誰もが」という言葉には、当然にして外国人も含まれるとするのが文字通りの解釈です。流石に子供にまで参政権を与えよという意見はないと思われますが、一部外国人の中には日本の政治を母国へ有利に動かそうと、参政権を求める声があります。
障害者(成年被後見人)の参政権については東京地裁判決(平成25年3月)に基づく公職選挙法の改正(同年5月)によって既に付与されており、より積極的な政治参加を求めるならば、用いるべき文言は「参政権」ではない筈です。
以上の事から、議員の一般質問について、今後は「どのような立場におかれている市民にも参政権を」から、「障害者の政治参加推進」と言ったニュアンスに改めて頂きたく、お願い申し上げる次第です。
議員に悪意はないものと信じますが、こうした言葉の「隙」が日本社会の秩序を地方から揺るがしかねないという危機感を、強く持って職務に臨んで頂けましたら、市民として嬉しく思います。
末筆になりますが、暑い日々が続きますので、どうかご自愛願います。
敬具
平成25年8月16日(金)
角田晶生(つのだ あきお)
〒 247-0055
鎌倉市小袋谷2-1-9 1階
090-4454-8858
<ここまで>
些細な言葉尻かも知れませんが、こうしたところから有形無形の糸口にされるリスクがないとは言えません。
そうした危機意識が、日本全国で欠けているように憂慮されてなりません。
by sasalindou
| 2013-08-16 15:58